英検とTOEFL、効率的な習得のためにどっちを選ぶ？学習者のためのガイド

2024年1月28日

執筆者：持田塾塾長　和家裕樹

英検とTOEFL、どちらを選んで効率よく英語を習得すべきでしょうか。本記事では、両試験の特徴と効果的な学習方法を徹底比較し、目標達成をサポートの参考になる情報をまとめてみました。

英検とは何か？その特徴を理解しよう

英検、正式には実用英語技能検定とは、日本において英語の読み書きや聞き取りなどの総合的な言語能力を測る試験です。英検は幅広いレベルが用意されており、子どもから大人まで自分の英語力に合ったレベルに挑戦することができます。公的な資格としても認知されており、英語を使う様々な場面でその資格が役立てられています。

英検のレベルとその目的

英検には5級から1級までの級が存在し、それぞれに応じた英語力が求められます。最も基礎的な5級から、高いレベルの運用能力を測定する1級まで、受験者の英語運用能力を正確に把握するための指針が提供されています。各級を取得することにより、学校の単位認定や就職活動におけるアピールポイントとなり、英語能力の証明にもなります。

英検を受験するメリット

英検を受験する最大のメリットは、英語の4技能（読む・書く・聞く・話す）をバランス良く評価される点です。さらに、公的な資格としての信頼性が高く、日本国内での知名度も非常に高いため、学校や仕事などさまざまな環境で自分の英語力を証明するツールとして利用することができます。また、英語学習者に具体的な目標を提供し、モチベーションの維持にも寄与します。

TOEFLとは何か？グローバルな観点から見た特色

Test of English as a Foreign Language（TOEFL）は、非英語圏出身者の英語使用能力を評価するために広く認知されているテストです。企業のグローバル化が進む中、TOEFLスコアは世界中の教育機関やビジネスフィールドで重視されており、英語を母語としない人々にとって英語能力の客観的な証明として機能します。

TOEFLの概要とスコアシステム

TOEFLはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションで構成されており、各セクションが総合的に英語運用能力を測定します。TOEFL iBT（internet-Based Test）は、インターネットを通じたテストであり、実際のアカデミックな環境で求められる英語スキルが要求されます。

TOEFLを受験するメリット

TOEFLを受けるメリットは多岐に渡ります。例えば、アメリカやカナダなどの英語圏の大学への入学を希望する学生にとって、TOEFLスコアは入学の必須条件の一つです。また、職場で英語を使う機会が増えているビジネスパーソンにとって、TOEFLスコアはグローバルなコミュニケーション能力を証明するための有効な手段となります。

TOEFLの特色と国際的な位置づけ

TOEFLは、英語圏の大学教育を想定した学術的な内容が特徴です。アカデミックな文章の読解、講義の理解、学術的なディスカッションを想定したスピーキングとライティングは、学生や研究者にとって実際の学術環境で求められるスキルを試します。そのため、多くの国際的な教育機関や組織において英語能力を証明する基準として広く認められています。

英語学習者のニーズに合わせた選択肢

英語の資格試験を受けることには、個々の目標や状況に応じた選択が重要です。英検もTOEFLも、それぞれに特徴があり、学習者のニーズに合わせて最適なものを選ぶ必要があります。ここでは、様々なニーズに応じてどのように選択していけばよいのかを検討していきます。

目標別: 学業進学か、実務能力アップか

英語の習熟度を公式に証明するために、または自身のキャリアアップに役立てるために資格試験を受けることが一般的です。特に学業進学を目指す場合、海外の大学への入学資格としてTOEFLのスコアが求められることが多いです。一方、国内での教育機関へ進学を目指す場合や、仕事での昇進、採用に利用するならば英検のスコアが直接的に活用される傾向にあります。

キャリア別: 国内利用か、海外進出か

英検は日本国内で幅広く認知されており、学校教育や職場内での英語運用能力を証明する手段として活用されます。対してTOEFLは国際的に広く認められている試験で、海外での学業進学や仕事だけでなく、国際的なビジネスシーンにおけるコミュニケーション能力を示す際に利用価値が高いです。利用目的に応じてどちらの試験を受けるか決定することが重要です。

目標とキャリアを明確に

最終的には、自分の目標とする学業進学の有無や、将来的に目指すキャリアパスを踏まえて選択することが肝心です。TOEFLはアカデミックな環境における英語使用の準備として、英検はビジネスを含むより広範な環境での実用英語のスキル証明として、それぞれの試験が設けられています。自己のニーズに最も合致した試験を受けることで、効率的な習得とキャリア形成の両方を実現することができるでしょう。

効率的な英語習得のための勉強方法

効率よく英語を習得するためには、自分の目標やニーズに合った学習プランを立てることが重要です。ここでは、英検とTOEFLそれぞれに特化した学習戦略を紹介します。

英検に特化した学習プラン

各レベルの英検には明確なスコア目標と試験内容があるため、過去問を中心にした練習が効果的です。また、日々の生活で英語に触れる機会を増やすことで自然とリスニングおよびリーディングの能力強化を図ることができます。英検のためには以下の戦略を採りましょう：

• 過去問演習：実際の試験の流れを把握し、時間配分を意識した学習を行う
• 単語・熟語の暗記：レベルに応じた必須語彙をマスターする
• 慣用句・ことわざの学習：日本語と英語での表現の違いを理解する
• 模擬面接の実施：実際の面接試験の形式に慣れるために友人などとのロールプレイを行う

TOEFLに特化した学習プラン

TOEFLはアカデミックな英語力が問われるため、長文読解や英語を使ったディスカッションの力が必要です。具体的な学習方法としては、次のようなものが挙げられます：

• オンラインリソースの活用：実際のTOEFL試験と同様のフォーマットの演習問題を解く
• リスニング対策：英語のニュースやポッドキャストを聞き、ノートテイキングをする練習をする
• スピーキング対策：英語でのプレゼンテーションを作成し、友人や家族に話す練習をする
• ライティング対策：多岐にわたるトピックについてエッセイを書き、添削を受ける

これらの戦略を組み合わせることで、目指す試験に合わせた効果的な学習が行えます。プランを立てる際は、実際の試験日程を逆算してスケジュールを組み、規則正しい学習習慣を身につけることが重要です。

英検とTOEFLの試験内容と違い

英検とTOEFLは、どちらも英語力を測るためのテストですが、その目的と試験形式には大きな違いがあります。ここでは、両試験の内容とその違いに焦点を当ててみましょう。

英検の試験形式と対策

英検は日本国内で広く認知されており、学校教育や就職活動においてその結果が利用されています。筆記試験のほか、上級レベルでは面接試験が含まれることも特徴的です。また英検は、実用英語技能の検定を目的としており、日常的な英語使用能力を測る傾向にあります。

TOEFLの試験形式と対策

一方、TOEFLは特にアメリカをはじめとする英語圏の大学進学を目指す人々にとって必須のテストであり、アカデミックな英語力、特に大学での学習やディスカッション、論文執筆に必要な英語力を測ります。TOEFLはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションで構成されており、インターネットを利用したテスト（iBT）が主流です。

試験	特徴	試験形式	傾向
英検	日本国内で広く認知されている。学校教育や就職活動に利用されることが多い。	筆記試験と面接試験（上級レベル）	日常的な英語使用能力を測る
TOEFL	英語圏の大学進学を目指す人に必須。世界的に認知されており、アカデミックな英語力を測定する。	リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクション。iBTが主流。	大学での学習や論文執筆に必要な英語力を測る

以上の違いを踏まえると、英検は日本国内での使用を目的とした英語力の証明に、TOEFLは海外の大学進学や国際的な環境で活躍するための英語力の証明に適していると言えます。受験者は自身の目的とニーズに合わせて適切な試験を選択する必要があります。

英検とTOEFLの習得費用の比較

英語の資格を取得する際には、その習得にかかる費用が重要な検討事項の一つです。ここでは、日本で広く認知されている英検と、世界的に通用するTOEFLの受験費用や準備に必要な学習費用などを比較してみましょう。

英検受験の経済的な側面

日本で行われる英検は、受験料がレベルによって異なりますが、一般には比較的リーズナブルです。たとえば、英検2級の場合、受験料は7,560円（税込）です。しかし、これだけでは終わりません。英検の対策として市販されているテキストや問題集の購入、場合によっては予備校やオンライン講座の受講も考慮に入れる必要があります。予備校のコース料金は数十万円となることもあり、総合的にみるとそれなりの出費が見込まれます。

TOEFL受験のコストパフォーマンス

TOEFLは国際的な資格試験のため、受験料は比較的高額です。日本国内での受験料は22,000円から25,000円程度が相場であり、英検と比較すると高額となります。また、TOEFLの対策には公式の教材だけでなく、英語のリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの能力を総合的に高めるための学習費用を考慮する必要があります。予備校やプライベートレッスンなどを利用する場合、さらに多額の費用が発生するでしょう。

費用比較一覧

項目	英検	TOEFL
受験料	7,560円（例：2級）	22,000円〜25,000円
教材費	数千円〜数万円	数千円〜数万円（+追加費用）
予備校・講座費	数万円〜数十万円	数万円〜数十万円以上

表よりも見えるように、英検もTOEFLも基本的な受験料以外にも、それぞれの試験に適した学習方法を採用するため追加の出費が必要になります。しかし、経済的な側面だけを考えると一般に英検の方が費用を抑えやすく、TOEFLは国際的な資格としてその価値を考えれば、投資に見合う価値があるといえます。

英検とTOEFL、それぞれの合格体験談と学習のヒント

英検合格者の学習法

英検合格を目指す受験者が取り組むべき学習法は実践的なものからテスト対策まで多岐にわたります。例えば、毎日英字新聞を読む習慣をつけ、見慣れない単語には積極的に辞書を引いて意味を確認することが重要です。また、英語のリスニング力を高めるために英語のニュースやポッドキャストを聞くことも有効な手段です。合格者の体験談によると、日常生活で英語を使う機会を可能な限り増やすことで、自然と英語力が向上していったという声が多くあります。

TOEFL高得点者のアドバイス

TOEFL高得点を狙う学習者に向けて、経験者からのアドバイスは非常に貴重です。リーディングセクションでは、長文読解の速度と正確性を上げる訓練が必要とされます。例として、タイマーを使って時間を測りながらの読解練習が推奨されます。また、リスニングセクションにおいては、アメリカ英語やイギリス英語など、さまざまなアクセントに慣れることが重要です。スピーキングとライティングセクションでは、構成を考えて実際に英文を作成し、可能であればネイティブの講師にフィードバックをもらうことがハイスコアに繋がると高得点者は述べています。

共通の学習のコツ

• 定期的な復習：習得した語彙や文法構造を周期的に復習し、知識を定着させる
• 模擬試験の活用：実際の試験と同じ形式で問題を解き、タイムマネジメントを身につける
• エラーアナリシス：間違えた問題を分析し、弱点を集中的に克服する

英検とTOEFLの学習の違い

英検とTOEFLは試験の性質が異なるため、その対策も異なります。英検は日本の英語教育に密着した内容が多く、日本での学校教育を受けている受験者にとっては取り組みやすい側面があります。一方、TOEFLはアカデミック英語に焦点を当てており、特に英語圏の大学進学を目指す者にとっての必要性が高い試験です。それぞれの目的に応じた学習方法を採り、自分の目標に合わせた効率的な勉強を心掛けましょう。

実際に役立った学習ツールと資源

学習ツール/資源	特徴	対応試験
オンライン英和辞典	迅速な語彙の確認が可能	英検・TOEFL
英語学習アプリ	いつでもどこでも学習できる	英検・TOEFL
ネイティブとの言語交換	実践的な会話力の向上に役立つ	TOEFL

まとめ

英検とTOEFLの選択は目的やキャリアによって選ぶべきです。効率的な学習方法と対策を把握して、自分に適した試験を選びましょう。

執筆者：持田塾塾長　和家裕樹